キミと秘密の交換恋日記
書き終わると、わたしはそれをみんなに見せた。

つい、恥ずかしくて目をギュッと力を入れ閉じてしまう。

これほどに恥ずかしいことはない。わたしは記憶のあるころには人が怖くて関わることが苦手だったから。

みんなが見ている時間が長く感じてしまう。早くこの瞬間が終わってほしいと思った。

メモ帳を持ったまま、緊張して固まってしまったわたしの前からパチパチと音が聞こえてきた。

その音はどこかのクラスの男女のカップル成立をクラスメートの人たちが祝福している拍手の音だと思った。

だが、その音に小坂くんや柏木くん、野沢くんの声が重なる。

不思議に思いわたしは前を向いた。

わたしが前を向くと、みんながわたしの手を握り興奮していた。

わたしにはいったい何が起こったのかわからない。

だって、わたしが魔法を起こしたわけではないんだから。

みんなは廊下に整列している何個もの扉の一つに密集しているわけでもなく、またそれぞれの扉に散らばっているわけでもなく形を崩さずわたしの姿を隠すようにしてわたしを囲んでいる。

けれど、みんなの視線の先だけは一点に集中している。

みんなが揃ってみている先は外部から輪の中心に隠れるようにしているわたしに集まっていたんだ。

――そんなに見られちゃうと恥ずかしいよ...。
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