キミと秘密の交換恋日記
アレイはそう言いながらわたしの腕を手に取り、わたしが転ばないような速さで走ったんだ。



アレイが付いていてくれたおかげで、わたしは無事バスが来る前にバス停に着くことができた。

アレイはわたしがバスに乗るまで一緒にいてくれた。

わたしがバスに乗り込んだらアレイはバス停を離れていくのが窓から見える。

わたしはアレイに心の中で“アリガトウ。また明日ね”と言った。

アレイの背中はバスが動いていくたびに段々と小さくなっていく。

アレイの背中を見てわたしはあることを考えてみる。

――明日、アレイたちにお弁当作っていこうかな?

そのことを考えているだけでわたしは以前より心が弾んでいた。

こんなに帰りの時間が楽しくなることをわたしは知らなかったから。仲間ができたらこんなに見えている世界の色が色鮮やかになることをわたしは知らなかったから
この時間はわたしの魔法を解いていく時間なんだ。

多分、カボチャの馬車に乗っていたおとぎ話のシンデレラも幸せな気持ちで帰っていったのだろう。明日からまた頑張ろうと思って帰っていったのだろう。



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