【完】恋愛事情
「さてと…あたしも行こうかな…」
圭吾に撫でられた髪に、自分でそっと触れてから、あたしは学校へと続く道に足を向けた。
歩いていると、色々な感情が浮かんでは消え、浮かんでは消えて、不安が押し寄せてくる。
「気合い、入れなきゃ…」
だって、今日は年に一度の大切で愛しい日。
早く逢って言わなくちゃ。
沢山、沢山、…今まで裕から貰って来た分、それ以上に伝えなきゃ。
すぐに不安になって、それしか見えなくなって、ダメダメなあたしだけど…。
甘えてばかりで、頼ってばかりのあたしなんだけど。