【完】恋愛事情



「っ!ちょ…口唇切れてるよ?!どうしたの…?」


よく見ると、誰かとケンカでもしたのか、それとも一方的に殴られたのか…口の端が切れて、痣になってしまってた。



「心配せぇへんでも、大丈夫や。こんぐらい。はなの痛みに比べたら…」



「…え…?」



「吉原に言われたんや。はなんこと大事にせぇって。…ちゃんと見ろって…大事にしとるつもりやってんけど、いっぱい泣かしてかんにんな?…こんなオレんこと許してくれるか…?」



圭吾が、裕のことを殴ったって言う事実にショックを受けながらも、あたしは裕の言うことに黙って頷いた。

< 60 / 65 >

この作品をシェア

pagetop