【完】恋愛事情
「っ!ちょ…口唇切れてるよ?!どうしたの…?」
よく見ると、誰かとケンカでもしたのか、それとも一方的に殴られたのか…口の端が切れて、痣になってしまってた。
「心配せぇへんでも、大丈夫や。こんぐらい。はなの痛みに比べたら…」
「…え…?」
「吉原に言われたんや。はなんこと大事にせぇって。…ちゃんと見ろって…大事にしとるつもりやってんけど、いっぱい泣かしてかんにんな?…こんなオレんこと許してくれるか…?」
圭吾が、裕のことを殴ったって言う事実にショックを受けながらも、あたしは裕の言うことに黙って頷いた。