空の色をおしえて
わたしはずっと、母さんのことを誤解していたのかもしれない。
わたしの話なんて絶対に聞いてくれない、話の通じない人だと。
将来を心配してくれているようで、本当は世間体を気にして大学に行ってほしいと言っているのだとすら思ってしまっていた。
子供じみた稚拙な感情。
愚かだったのはわたしだ。
そんな1番のわだかまりが無くなり、目標が決まった今、同じ場所で足踏みを続ける必要はなくなった。
秋人のことに関してもそうだ。
側にいなくなるからといって忘れられる気はしないけど、生きてさえいればまた会える。
まだ卒業まで時間があるから実感がわかずにそう思えるのかもしれない。
だけど例えその時がきても、心から応援する気持ちになれる、そんな気がした。
この広い地球上のどこかで、秋人と同じ空を見ていられるのだから。
そうしてまた、目標にむかって突き進む。