空の色をおしえて


「あんなに絵を描くことが大好きだったでしょう。その道に進学することを反対したこともあったけど、美咲がまた笑顔になってくれるなら、お母さんはそれでいいわ」



「ごめん、今その話したくないの」


いつの間にか落ちていたリモコンを足の指で手繰り寄せ、テレビのボリュームを少しあげた。


「やっぱり……菅波君のことが原因なの……?彼が亡くなったことをまだ受け入れられずに、なげやりに」
バンッ!!

乱暴にテーブルに手をついて立ち上がる。
視界の隅で、母さんの肩が小さくびくっとなるのが分かった。



「……ごめん。明日も早いし……もう寝るよ」


自分の稚拙な言動が恥ずかしくなり、母さんの目を見ることが出来ない。
そのまま足早にリビングを去った。





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