空の色をおしえて



無邪気に笑い合った楽しい時間も


突然の悲しみに慟哭した時間も


空虚な思いに押し潰されそうになった時間も


今、時を越えて、生まれ変わったわたしから空へと還っていく。









とその時、太陽の光をキラリと反射したドアの向こうから、見慣れたシルエットが現れた。


その人は辺りを見回してから、わたしの元へと歩いてくる。



純白のスーツケースを引きながら、ゆっくりと、ゆっくりと。







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