春が来たら、桜の花びら降らせてね

「冬菜ちゃんは、夏樹が勝つと思う?」

誠君に尋ねられて、迷わず頷いた。
私は夏樹君の勝利を信じている。

だって、夏樹君は約束をしてくれたから、それを破ることは絶対しない人だと思う。

そんな確信めいた信頼があるからこそ、私はその恩返しに何ができるのかなと考えているのだ。

「おおっ、絶対の信頼を置いちゃってるんだねぇ~っ、お熱いことで!」

「うっ……!」

――そういうんじゃない!
またニヤニヤする琴子ちゃんに、私は慌てた。

こうやって勘違いされちゃうと、夏樹君に迷惑がかかっちゃうのに……。

だけど、携帯が無いとうまく説明できそうになく、私はからかわれながらも、黙って試合を見守ることにした。

──パァァンッ!
そして、空砲が鳴り、第1走者が駆けだすと、あっという間にバトンが引き継がれ、第2、第3走者が走る。

うちのクラスは、琉生君のクラスに続いて現在2位だ。

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