キミに捧げる愛の言葉
バスケ部の男子は人当たりもいいらしく、しょっちゅうファンサービスをしている。
だからか、女子の歓声は高まるばかり。
「きゃー!坂本センパーイ!!」
「祐希くんかっこいー!」
「こっちみてー!!」
…すごっ!こんなに恥ずかしげもなく言えるのは逆に尊敬する。
でも、耳には響くからトーンを抑えてほしい。
……怖くて言えないけど。
「センパーイ!かっこいいでーす!」
突然隣から聞こえる声に、ギョッとする。
「み、みき!やめてよ!」
目をハートにし、いつもより声が高い美希には何を言っても伝わらない。
でも隣にいるわたしまでが恥ずかしい!
「ちょ、美………ん?…痛っ!!」
何故か周りの視線が私の方向へと向き、次の瞬間頭に硬い何かがぶつかった。
「ごめんなさいっ!…あの、怪我は……ん?あ、桜田じゃん。」
え?
突然呼ばれた名前に反応し、自然と声がした上を見上げる。
「あー、水無月くん?」
「良かった、俺の名前知ってたんだ。」
「知ってるよ!さすがに……」
だって、同じクラスの人気者だもん。