素直になるのはキミにだけ
痛いのは、手のひらじゃない。


ほんとうに、痛いのは……胸だ。




「沙…弥…?」




ハッと気づいた時、茉夏はあたしを見て目を見開いていた。


そして、その数秒後、茉夏の目から大量の涙が流れだした。




「ざやぁっ……!!なかないでよぉう…!!家っ…帰るまで…グスッ…我慢しようと思ってたのに…!」




茉夏はあたしに抱き着いた。



あたし、泣いてるの…?



自分の頬に触れると、涙が溢れているのに気が付く。

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