私の二人の神様へ
嫌なわけではない。
私は榊田君が好きだ。
榊田君の呼吸を近くで感じながら眠れたら、どんなに幸せだろうか。
お布団の中で、ぎゅっと抱きしめられたら幸せ過ぎて天にも昇る気持ちになるんだろうな。
そんな恥ずかしい想像をしてしまう。
だから、決して嫌なわけではない。
でも、その一方で怖い。
そう思ってしまう。
一線を越えることで、榊田君が私を捨ててしまうとかそんなことは思ってない。
榊田君の態度は変わらず、私に優しいままだろう。
そういう恐ろしさじゃなくて、ただ単純にその行為が怖いのだ。
どうしよう、ここは謝って帰りたいと言おうか。
今になっても、そう何度も思ってしまう。
でも、やっぱり。
やっぱり、榊田君の腕の中で眠りにつきたい。
彼に触れて欲しい。
その欲求のほうが強い……たぶん……いやいや、絶対!!
だから、意を決して一歩を踏み出し、ゆっくりと部屋へと続くドアを開ける。
大丈夫。
怖いけど榊田君なら大丈夫、そう言い聞かせながら。
「……えっ?」
思わず声を上げたのは、布団が敷かれていたから。
ベッドとは別に。