浅葱色の忍

土方歳三

慶喜様に仕え
山崎がどんな仕事してんのか
気になってはいたが


腰に刀を下げ、ぶっきらぼうに喋り



俺以上に怖がられているときた



おもしれぇじゃねえか




「だから!貴方は、大人しくしてて下さい!
言われたでしょ!!
僕が守りますから!!
僕の後ろにいて下さい!!」


「お前のような若僧に守られるほど
俺は、弱くないと言っている!!」


「若僧って!たったの2つしか変わりません
貴方!本当に頭の使い方がなってない!!」


「なんだと!?
相手は、見廻組にいたんだ!
俺が指揮して怪我人が出たなど
洒落にならん!」


「僕は、新選組の一番隊 隊長です!」


「だからなんだ!!
顔に小傷を貰うような剣なのだろ?」


「っ……!
貴方は、刀でなく、筆でも持ってればいい
なんと言われても、僕は任された仕事を
する!」





はぁーーーー



似た者同士ってのは、ぶつかり合うもんだ




「渋沢さん 貴方は、なんて優しい人だ
こんな小僧の心配をしてくれるなんてよ
本当にいい人だな
山崎さんが、貴方を見込んでいるはずだ!
きっと、貴方は大物になる!
ぜひ、その頭を使い、指揮をして下さい
さぁ 行きましょうか!」



「おお!土方だったか!行こう!!!」



簡単な人だ…

総司は、ムスッとしたまま俺の隣を歩く



「山崎に任されたんだ、怪我させるなよ」


「わかってますよ!」



口を尖らせて不満そうに言う姿は
渋沢さんの言うように、小僧だ




予想外の出来事



大沢源次郎は、寝ぼけていた


刀を抜くまでもなく


手で取り押さえた




慶喜様へ報告をするため

城の一室で待つ





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