浅葱色の忍
「じゃあ!俺のこと見張ってたんですか!?
だから…知ってるんですか!?」


「城の中は、全員見張ってたけど
渋沢のことを知ってたのは
平岡さんから聞いてたから…
ずっと前、俺が辞めて、すぐ
丁度入れ違いに
平岡さんが、俺よりも頼りになる奴を
見つけて口説いてるってとこから
名前聞いてなかってけど
すぐにわかったよ渋沢だって」


渋沢がみるみる赤くなり


「/////山崎さんより?」


「平岡さんは、俺のこと怒ってばかりだったけど、渋沢のことは、誉めてた
抜けてる奴とは、言ってたけど
あんなに誉めてたのは、渋沢くらいだ
実際に会ってみたら
平岡さんから聞いていた通りだった」


山崎が懐から、文を出した



「平岡さんからだ
名前書いてないし、渋沢だろうと思ってたけど、次に会った時に渡すつもりだった
因みに、俺にはなかったんだからな!
慶喜に仕事を頼まれた時、決めたんだ
渋沢が幕臣に取り立てられるように
手伝ってやろうって
俺が手伝わなくても、なっただろうけど
抜けてるから、時間がかかりそうだったからな」




渋沢は、文を受け取り

山崎を睨んだ


「どうして… 新選組なんですか!?」


山崎がにこっと、笑った


「ここに居場所があったからかな」


山崎の言葉に


「俺がいるからとか言えよ!」


原田が、山崎と肩を組む


「あははっ それは、ない!」


「僕とお茶するため!」


沖田が声を上げる


「あはっ それは、ある!」



次々に上がる声に、山崎が笑って答える


そんな山崎を見たことがなかった渋沢は



「楽しいからですね…」



その答えに、山崎が微笑んだ


「だいぶ、頭の使い方わかったみたいだな」










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