浅葱色の忍
いつも通り

宴なら、非番くれとせがみ

烝華になり宴へ




今日は、勇のそばにいよう




そう思ったのに

伊東さんに掴まり



「私の相手もしてよ」


「やっ!」



ゾクリとして、手を振り払った


俺の声に副長が、心配してくれたんだろうけど

肩に手を置かれ


ビクッと身を竦めた



怖い



あの時の恐怖が蘇る



着物の胸元を両手でつかみ

カタカタと震える




あかん





勇にバレたくない







どうにか落ち着かないと!






バクバク鳴る心の臓に
戸惑っていると




「銀20枚 ありがとう」



伊東さんが笑った




その瞬間


廻りの声が聞こえなくなった


目の前も真っ暗になり




1番知られたくない人に



知られた…














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