浅葱色の忍

近藤勇

新選組を離脱したいという10名が
伊東君たちの月真院を追い返され
会津に離脱の許しを請いに行った

すでに、幕臣に取り立てられた後

会津に迷惑をかけるなど
あってはならん



「切腹申しつける!」




私が、そう言うとは誰も思っていなかったらしい



「聞こえなかったか?」



歳をチラリと見る



「いや、しっかり聞こえた」



歳の指示で、4名の切腹
残りを追放とした












その夜



歳が私の部屋にやって来た


「どうした?」


「どうしたって、かっちゃんこそ」


かっちゃん

未だに2人の時は、そう呼ぶ
島崎勝太
歳と出会った頃の私の名前だ


「局長らしくなかったか?」


「……いや
局長らしかったよ
だけど、かっちゃんらしくはなかった!」


フンッと腕を組むと



「ああいう憎まれ役は、俺の仕事だ!」


「私は、新選組の為なら、憎まれる覚悟なんて、とっくにできているよ」


「似合わねえんだよ」


「……」


「かっちゃんは、ちょっと抜けてそうに
笑っている方がいい」


「!? それでは、役に立たない!」


「立つんだよ!1番効果的だ!
いいな!? ああいう役は、俺がする!」




歳の意図することが、わからず
首を傾げる



「それそれ!それやっとけ!」




……



益々わからん



















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