浅葱色の忍
「山崎です」


烝?


「どうぞ」


襖を開けると烝が歳を見る


「あ 一足遅かった?」

「まあな」



烝が苦笑いしながら、私達の前に座った


「局長なんて?」


「俺に任せるってよ」



…言ってないが?




「はぁ~ 良かった!
あんまり似合わんことするから
心配になってんで?」


「クククッ まったくだ」



なんだか不愉快だ…

局長として、当たり前の仕事が
私には、似合わない?



「かっちゃんは、かっちゃんでいてくれないと! なんか、調子悪いんだよな!」


「それや!ホンマ!それ!」



烝の事は、歳に任せているけど
仕事以外だとこの2人

仲が良すぎなのでは?



「万が一、かっちゃんが変わっちまったら
山崎の事は、俺が責任もたねえとなんて
そこまで考えちまったよ!ははっ」


「俺も、副長を頼るしかないなって!」




クスクス笑い合う2人に、嫉妬心が芽生え

ムスッとする





「かっちゃん!急に幕臣だとか
そんなこと考えんな!そのまんまでいい!
俺たちは、新選組なんだ!
肩に力入りすぎ!」



歳の後ろで、烝が頷きながら
にこりと微笑む



思わずにやけてしまいそうなほど
可愛らしい烝の笑みに、力が抜ける





「無意識に気を張ったのかな
ありがとう! もう、大丈夫!」











翌日


総司に始まり
皆が、私の様子を伺ってきた



そんなに似合わないなら

やはり、やめよう













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