浅葱色の忍
尾形と2人になったとき

気になっていたことを質問した



「局長と俺の会話どこまで聞いた?」


「……ほぼ全部」


「具体的に…」


「慶喜様と結婚してたとか…
その前から、吉村と出会ってたとか…」


「……全部、ね……
局長にはさ、言いにくいこともあって
姫様だった頃、凄え色白でさ
会う度に空ばかり見てて
あるとき、俺がやられそうになってたら
助けてくれて
忍なんだって教えてくれたんだ
山崎に……忍に戻ればって言ったの俺で
俺が、言ったせいで…
本当に死にそうだった
危険な事ばっかりして…」


「今と変わらないだろ」


「今より勝手な事してた」


「……」


「だから、生きてて俺を必要としてくれて
本当に嬉しかった
今度こそ俺が、守ってやろうって……
相棒になるのは、俺だと思ってたのに
尾形がいいって言われたとき
がっかりしたけど…
今は、納得してる
尾形って、白黒はっきりしてるし
女だとバレても慌ててなかったのは
尾形は、誰にも言わないって信用してたんだと思うんだ」


「なぁ なんであんな倒れるほど
隠したがるんだ?」


「新選組にいたいからだってば」


「……局長といたいからじゃなくて?」


「……」


コイツ、鋭いな……



「当たりか……
局長見てたらわかった
今まで、なんで気がつかなかったんだろ
つーか、幹部らもなんで気がつかねえの?
特に副長なんて、勘のいい人がさ」


「それは、山崎も不思議がってた
烝華と山崎が同一人物と見破ったのは
局長と伊東さんだけだから」



「吉村どこー?」



山崎の呼ぶ声がした


「ここ!」


返事をすると、上からシュタッと降りてきた


「なんや?2人で?
俺の悪口でも言っとったんか?ややなぁ」


「ちょっとだけな」


「ホンマに、言っとったんか!!」


「クスクス嘘だって!尾形!虐めるな!」


「山崎って、弄りがいがあるから」


「フンッ まぁ、2人一緒なら良かった
しばらく2人で組んでくれ!
沖田さん… さっき喀血したんや
しばらく付きっきりになるやろから」



沖田さんは、労咳



ついに… 本格的に発症したんだ




「尾形… 今でこそヘラヘラ笑っているけど
山崎は、本当に辛い時期があって
もう、あんな山崎は、見たくないからさ
一緒に守ってやろうな」



「あぁ」






あんなに強い沖田さんが、弱っていく姿を
山崎が耐えられるだろうか
















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