浅葱色の忍
慶応3年  冬
沖田の病状が、急激に悪くなり
屯所での療養は、限界だということで
近藤の妾宅に移る話が出た









「労咳の人なんて、嫌よ!!!」



拒絶された




表向き妾宅に移ったとみせかけ
山崎の家に移った





「へぇ~ お前… 別宅があったんだな…」




土方にだけは、教えておこうと

近藤が連れて来た



「当たり前やん!
どこに住んでたと思ってたん?」


「……確かに」



「総司 しっかり療養するんだよ」


「……ハイ」


「なんだよ!気弱な返事すんな!」


「咳が出るから、小声で話せって
言ってんねん!」


「あぁ…」


「総司 心配だなぁ」


「もうええ! 2人とも帰れや!」




山崎の家は、壬生にあり
月に1度しか来れなかった医者が
ここなら十日に1度来ると言った
とはいえ、沖田は新選組から離れることを
物凄く悲しんでいた



「アリガトウ…ゴザイマシタ」


「ばあーか!礼なんて言うな!」


「そうだよ総司
山崎君 総司をよろしく頼む」


「承知!まあ 忙しやろが
遊びに来たってや!」




近藤らが帰って行くと
沖田は、しょぼくれた



「刀持ってたら、迫力あんのに
なんや? 情けない顔すんなや!」


「ウン」







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