浅葱色の忍
「沖田さん さみしいんは、今だけや!
病治して、またバリバリ働くねん!
休みたいって言っても、土方さんが
今まで休んだだろって、休ませてくれへん
今だけや!休めるうちに休んまなな!」


「ヤマザキクン……モドレルカナ?」


「戻ってもらわな困るで?
てか、沖田さん治るまで、俺も戻れへん
一緒に頑張ろな!
なんでも言ってや!弱音かて、文句かて
何でも聞いたるさかい!」


「ウン」






王政復古の大号令が発せられ

新選組が新遊撃隊と名を改め、二条城に詰めるが、揉め事を起こした



「ふざけんなって!!
総司!!お前があの場にいたら
絶対!叫んでたぞ!!」


熱で横になっている沖田の枕元で
土方が、熱く語っている


「土方さん… うるさいで?」


「山崎が城で不機嫌な理由がよく分かった!
なんなんだよ!人を見下しやがって!」


「あのさ… 新選組に戻ったらええやん」


「え……」


「城には、ゴロゴロ人がおんねん
わざわざ仲間入りせんと、今まで通り
新選組として、独立してたらええやんか」


「……なるほど」


「病人の横でぎゃあぎゃあ煩いねん!」


「総司!!ありがとうな!
やっぱり、お前のとこに来て正解だ!
じゃあな!また来る!」


「俺ちゃうんかい!!」



バタバタと帰って行く土方にため息漏らす


「クスクス コホッ
ヒジカタサン…ボクニグチイウトスッキリスルンダヨ」


「フンッ ほっといても良かったわけか!
損した気分や!!」


沖田の額に乗る手拭いをじゃぶじゃぶと
水に浸して絞り、額に戻す


「土方さん… 沖田さんがおらんとあかんな
近藤さんも、暇さえあれば来るし
沖田さんって、めっちゃ可愛がられて
なんや、羨ましいなぁ」


「コドモアツカイダヨ」


「ええやん!俺も子供扱いされたい!」


「クスクス ヘンナノ」




数日すると



沖田の体調は、回復した



「山崎君 ケホッ」


「こら!小声や!」


「今日は、凄く気分がいいんだ
それでね、お願いがあるんだけど」


「なに?」


「大福」


「おっ!ええな!買ってくるわな!」


「待って!」


「ん?」


背の高い沖田が、山崎の目線に顔を合わせ



「気をつけて行ってくるんだよ」


と、頭を撫でた



不思議に思いつつも、嫌な気持ちではなかったので、うんと返事をして買い物へ



帰ると丁度お湯が沸いたらしく
沖田が茶を煎れていた




「おかえり」


「ただいま え…」


「良く出来ました!」




沖田が山崎をナデナデ











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