浅葱色の忍
「俺……見てくる」



永倉が、扉に向かうと

扉の前で、尾形が言った



「アホ
どこにいるかもわからないのに
探そうとか言う奴がいたら、アホって
言っとけって… 伝言です」




山崎らしい





少しして




尾形は、山崎と吉村の荷物を俺達のところに持ってきた



「帰って来たら、すぐに出れるようにです」



帰って来る

アイツら、強えもんな…




大阪に連れて行ける怪我人の確認をしてくれと、呼びに来た隊士について行くと






ガチャ




金属の音




銃口が向けられていた




「死ね」







ドカッ




という、音と共に、山崎と吉村が現れた



「コレ欲しかってん!やった!」


無邪気にピストルを手にする山崎



「どういう事だ…」



「間者!副長を狙ってるんやて知って」



「……」







驚かされっぱなしだ



「副長 ホイホイついてったらあかんで?
指揮官は、動かない!
ええか? 動かない! ええな!」


ん?



「お前… ずっと俺についてた?」


「そや、監察方を指揮してんの俺や
俺、死ぬわけにいかんやろ」


「よく言うよ
敵に潜入するとか言ってたくせに」


「 っ…!」



山崎が何か気配を感じたらしい



俺の前に立ち、気配を探る




ガチャ




再び、聞こえたピストルの音に
吉村が動き、山崎がクナイを投げた



バァーーーーーン!!!




吉村が倒れるのと同時に

山崎がピストルを撃った


バァーーーーーン!!!



肩にクナイが刺さった間者は、山崎の銃弾に倒れた




銃声に、集まった幹部や隊士ら


山崎がクラリと揺れ、その体に後ろから
手を回した



ぬるっとする手の感触に


ゾクリと背筋が凍る


恐る恐るその正体を確かめる



俺の右手には、血がべっとり






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