浅葱色の忍
「山崎!!!」


大声で山崎を呼び、顔をこちらに向けた

恐ろしく白く、生気の無い目に

言葉を失った



「吉村は、ダメだ……」



吉村を貫通した弾が、山崎の肩に当たった
のだと、理解した


「副長… 先に行ってて…
俺… 後から行く… 必ず…
まだ、やることあるし…
勇に、会いたいんや…
こんな、血塗れで行ったら…
勇泣きそうやん?
せやから… 着替えていく…」



かっちゃんが銃弾に倒れた時

ここまで酷くなかった

普通に会話が出来ていた


女だから?

当たりどころが悪かった?



「お前、ひとり置いていけるかよ…」


「俺達が交代で担いでやる!
土方さん、山崎は任せてくれ!」



永倉と原田に任せて、出発した



「大丈夫ですかね……」


「アノ怪我だからな……」


「いえ、永倉さんですよ
治療中に山崎を襲って、返り討ちに
合わないといいなって」


「……そっちかよ」



尾形なりに、俺を励ましてくれてんだろう










山崎に怪我をさせてしまった……


















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