浅葱色の忍

烝の困惑

おとんの交渉が、初めて成功した



全く喜べない仕事内容に
ムスッと、していると



「うまくこなせば雇ってくれると
約束してくれたんや!」



おとんと里を出て、なんと


5年




正式に雇ってくれる話までこぎつけた
達成感からか、おとん

めっちゃはしゃいでる



異国との交渉に女を使って油断させる!

誰が言い出したのかしらんが
徳川の姫達は、全員拒否!


身代わりとして、俺が交渉することに




まずは、交渉役として
お偉い人達の前へ



ん? あいつ… 慶喜?だったか?



慶喜… 偉い奴だったんだ…



まぁ
そんなことより、仕事や!



「国書を受け取ればよいのですね」


「あぁ」



こんな大人の男らが、恐れる異国の男とは
どんなものか


ワクワクして仕方なかった



異国の言葉は、覚えていたから


実際に通じるのか試したかった







喋る前に



ガッシリ抱きしめられ
両頬に口づけをされる




「何すんだ!この野郎!!」




コテンッと大きな男をひっくり返す

男は、目を丸くした後


盛大に笑い



〝She is beautiful〟



を何度も繰り返す


は?



狂ったか?




なんとなく挨拶なのだとわかっていたが


〝日の本の女は、人前でこのようなことを
されたら、嫁にいけなくなるんだ!!
お詫びに蒸気船にくっついてきた船をくれ
そしたら、許す!〟



と、腕組みをして英語で言ってやった

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