浅葱色の忍

烝の涙

平岡から、ことあるごとに怒られる



拳骨は痛いし、平岡の言葉は、堪える



「殿が正室を迎える為に
お前は、練習相手になれ!
それから、仮にも側室だ!
言葉遣いもきちんとしろ!」




俺は、忍になりたかった


側室になりたかった訳じゃない



「くノ一なんだろ?出来るよな?」



くノ一やない

俺は、忍や




「5日だぞ!?5日共にして
何もないだと!?
よほど女としてみられてないのだな」





みられているはずがない


口悪く
ガサツなんだから





祝言の時の事を思い出した


「大切にしてもらうんやで!
ややこが出来たら知らせてや!」


おかんは、これが本当の婚礼だと信じ
とても喜んでいた

おとんが言えなかったせいで
余計な期待をさせてしまった



「まさか?お前、産めないのか?」



産婆の診察を受けさせられた




「なんだ 健康だそうじゃないか!
今夜!いいな?慶喜様のお相手をしろ!」




自分でもみたことないとこ診られ
かなり、気落ちしているのに




今夜なんて…









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