浅葱色の忍
一般的に婚礼が、こういうものであったとしても、戸惑いを感じる


慶喜は、良い奴だとわかった

良い奴だけど




〝練習相手〟




夫婦の契りではなく

たんなる練習相手だということが

嫌なんだと気づいた





1つの布団に横になると
胸の高鳴りを抑えきれない





この5日間





こっそり布団を抜けて

朝、早く起きたふりをしている




今夜





逃げることは、許されない



くノ一だってしないのに



忍の俺が



練習相手をするため体を売る


金を貰う訳じゃないが


気分は、そうだ





唯一の救いは、相手が慶喜だということ







この胸の高鳴りが

慶喜への好意なのは、なんとなくわかる









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