浅葱色の忍

烝の悩み

城から戻ると月のものがきた



正直、ホッとした




終わるまでは、慶喜のとこにいかずにすむ



口づけすらして貰えなかった


なんて…


情けない





慶喜の近くにいると、どうしても
触れたくて、触れられたくて

寝ている間ならって


勝手に口づけをしてしまった




しかも、2回も




これじゃ、盗っ人やんか!!

はぁ……






「梅沢 月のものがきたので
今夜は、自室で休みますと
伝えて貰っていいですか?」


「……別に、一緒に休まれたらいいでしょ」


え……



「お布団を汚してしまうと悪いでしょ!」


「本当に月のものですか?」


「疑うなら、産婆でも呼べば?」


イライラして、梅沢をギロリと睨む


「そんな怖い顔をしないでくれ
慶喜様と上手くいっておらぬで
逃げておるのではと気になってな
伝えておく
気分を悪くさせてすまなかった」





俺は、逃げたことなんてない


どんなこともやってきた





だけど




梅沢の指摘は、的を射ていた




ホッとしてしまったから




「梅沢…… あの… 」




何を言おうとしたのか
わからないくらい

グラリと目の前が揺れた


立ってられない!!

視界がグルリと回り、音がなくなった


何?これ?



倒れたんだろうけど
体が痛まない


目の前に梅沢の顔


口がパクパク動いていて


〝ショウカ〟と、呼んでいた


口の動きを読めば、呼ばれていることは
わかるけど、返事が出来なかった



そのまま



目を閉じた




















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