浅葱色の忍
「2人ともダンマリ決め込んでます」


「美賀子の女中が、何しに行ってたんだ?」


「定かではありませんが
烝華の女中が言うには、度々来ては
何か小言を言っていたとか」


「だからって、アイツが手をあげるなんて
よっぽどだと思うけどな」


「しかし… 美賀子様の手前
処分をしないということは、無理ですね」



「2人を接近禁止としましょう
処分というのは、身重には厳しい」



梅沢が呟いた〝身重〟


妙な空気になり、沈黙



「すみません 口が滑りました」


「……烝華が、懐妊しているのか!?」


「そのようです」


「俺は、聞いてないぞ!!」


「だから、慶喜様に言ってから
我らに話すつもりだったのだろう」




俺の子が、烝華の中に宿っている


こんなに嬉しいこと


なぜ、言ってくれないんだ!!





しばらくして






美賀子が
例の女中を連れて来た



「申し訳ございません
烝華様に落ち度は、ございません
私の女中が、烝華様が御懐妊という噂を聞き、私の為におろせと迫ったそうです
この者がお腹に手を掛けたところ、驚いた烝華様が振り払おうとした手が、この者の頬に当たったのです
この者は、実家に返します
どうか、烝華様は処分などしないで下さい」




良い嫁を貰ったものだ




「美賀子 ありがとう」

















女の嫉妬とは、本人同士だけのものではないのだな……








烝華の懐妊は、医師から報された


平岡達が部屋を出てすぐ
倒れたそうだ


美賀子は、青くなり
何度も謝罪の言葉を口にした











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