浅葱色の忍

慶喜の責任感

懐妊中の美賀子の為に
烝華と2人きりにならない方が良いと
進言され


帰ってきた烝華と会話らしいものもなく



ただ、烝華が以前と様子が違うと聞くと
心配になる




「烝華の様子はどうだ?」


梅沢に問う


「気になるなら、見に行けば良いではありませんか」




数日後




「烝華は、どうしてる?」


平岡に問う



「元気とは、言えませんね」





美賀子が散歩をしたいと言うので
庭を歩いていると


空を見上げる烝華の姿があった



「烝華様だわ!行きましょう!」


美賀子が挨拶をすると

烝華は、作り笑いをし

なんでもない会話をした


「私、そろそろ戻りますので…」



ふと、烝華の視線に気づいた

美賀子と繋がれた俺の手




嫉妬???




まさかな…





その夜、やはり話くらいしたいと思い

烝華を呼んだ



「烝華様…体調を崩しております」




またか…






たまに誘えば、これだ


医者は、大病ではないと言うから
これは、仮病のようなものだろう


俺を避ける為の




明日、平岡に様子を見させよう






翌日






「吐き気が止まらず
一晩中、苦しんだそうです
先ほど、医者の薬で落ち着き
休まれたそうです」










仮病では、なかったか…










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