浅葱色の忍
美賀子と3人で茶会


烝華は、ぼーっと空ばかり見ていた


その態度に、苛立ちを覚えた




数日後




烝華が女中らと茶会を楽しんでいる姿を見てしまい、黙っていられなかった




「おい!美賀子の時は、つまらなそうにしてたのに、随分と楽しそうだな?」


「申し訳ございません!!!
私達が、烝華様をお誘いしたので
お気を使われておられるのです!」


烝華なら、言い返してきそうなのに
コトリと、湯呑みを置き


「楽しかったです
お誘いありがとうございました」



皆や、俺にお辞儀をして
そそくさと部屋に向かって歩き始めた



「慶喜様…
烝華様をお叱りにならないで下さい
本当に、私達から誘ったので…
あまり、食事を食べておられないので
お菓子ならと、差し出がましいことをして
申し訳ございません」



烝華が座っていた席には
まだ手をつけられていない菓子が残され

女中らの気遣いを無にしてしまい


申し訳なくなった


「すまぬ
八つ当たりのようなことをした
烝華への気遣い感謝する」


「そんな!!恐れ多いことでございます!」



烝華の様子が気になり


部屋に寄ろうとした廊下



ぼーっと空を見る烝華がいた



この前の茶会では、気がつかなかった

随分と痩せている




「烝華」




俺の声が聞こえていないようだった





「烝華」



「? なんでしょう?」



キョトンと振り返る



「今夜 来てくれ
久しぶりに話をしよう」


「はい」








「慶喜様!!こちらにいらしたのですね!
今夜 慶喜様とお話したいことがあります」


「っ! 今夜…」


「美賀子様 良いことがあったのですね?
慶喜様 今夜は、美賀子様とごゆっくり!」



ニコリと作り笑いをして
庭に下りて行った



アイツ…


いつから
あんな作り笑いするようになった?










翌日









「烝華は、どうしてる?」


「阿部様が、お相手しております」


「阿部が?」












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