浅葱色の忍
阿部は、烝華に一目置いている


「なんの用できている?」


「俺がわかるわけないでしょう?」


気になる   気になる   気になる




翌日




「慶喜様 烝華が話があるとか」



年末まで、まだ時間はある
まさか… まさかな…



梅沢と庭に行くと

烝華は、俺の贈った着物に紅


少し緊張しているように見えた



「あの… 今日は、ご予定がないと伺い
一緒に出掛けて貰えないかと…」


「かまわぬ」


「よかった…」



珍しく、嬉しそうに笑った


烝華の後方から
美賀子が近づいてきた




「慶喜様!!!こちらにいらしたのですね!
今日は、ご予定がないとのことなので
一緒に御子の名を考えて頂きたいのです!」


「ああ…」



烝華がニコリと作り笑いをした



「是非、そのようにされて下さい!…では」



2度も、約束を反故にしてしまった


逃げるように遠ざかる烝華が心配になり




「梅沢 烝華についてやってくれ」




「わかりました」







夫として、2人を大切にしなくては…



だが、それは簡単に思えて
とても難しいことだと痛感する















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