浅葱色の忍
土方さんの計らいで

口元が治るまで、どうにか
皆に会わずに過ごせた



「久しぶりだな!いたのかよ!」


「ずっといましたよ!」



原田さんと話してると
永倉さんや沖田さん、幹部がゾロゾロ



「お前の妹!可愛いなぁ!!」


「……アリガトウゴザイマス」
 

「声、小さっ!」


「いや、俺にいわれてもと…」


「そうだな!今度、宴に呼びてえな!」



あ……あかん! 墓穴や!




「そっくりだったよな!」


「比べてみてえな!」


「俺は、表に出ませんから!」


「幹部だけの宴ならいいだろ!?」


「さぁ?副長の判断ですから」


あかん!逃げたい!!


「山崎君 ちょっといいかい?」


「はい」




勇に呼ばれ、助かった






「久しぶりだね」


「せやな」




勇の部屋に二人きり


気楽に喋る





「深雪を正式に身請けすることにしたよ」




「そう…
そら!深雪、喜んだやろ?」




「とてもね」



「勇 皆が、烝華を宴に呼びたいんやて!
断ると怪しまれるし
話が来たら受けようと思ってる」



「烝」



話を反らそうとしたけど



勇が真っ直ぐに、俺を見る




「慶喜様のところに帰るかい?」





なんで?



どうして、そんなこと言うんや















この感覚 知ってる



また、闇に落ちる








「ご命令であれば……」









それだけ、口にして

屋根上に逃げた









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