浅葱色の忍
蛤御門
「そういえば…
慶喜様のところで、何してたの?」


幹部会議で沖田が、山崎に質問した


「慶喜の家臣で、平岡円四郎って人
亡くなったから…お別れに
怒られた思い出しか、ないんですけどね」


そう言って、笑った



「へぇー お前も怒られるんだな?」


永倉がえらく感心して言った


「立場としては、副長のような方で
責任感を凄く持ってる人でした
自身にも、厳しかったですね」



「山崎 そろそろ、その敬語やめろ」



ジトッ と、土方が睨みを利かせる



「やめろと言われても…」



「山崎君!僕もね、人付き合い苦手でね
昔は、凄く暗かったんだ!
話したり、笑ったり、そんなこと
どんなに頑張っても出来ないと思ってた
でも!僕、皆が大好きだから!
友になれたんだよ!」



山崎がいない間

皆は、山崎の事をたくさん話していた




「クスクス 普通に喋っても
ここに君を怒る人は、いないよ」



近藤が微笑む
山崎が、本当にいいのか?という目を向けると、近藤が頷く



「えと… 」



言い淀む山崎に
近藤が助け船を出す



「山崎君は、こっちの生まれなんだ」


「へぇ」


思いの外、あまり驚かれなかったことに
安堵して


「大阪の生まれで…
普通に喋ったら、馴れ馴れしいって
怒られてん
ホンマ、普通に喋ったら楽やねんけど
ええ?」


「お前… そんなこと気を使ってたのか?」



土方が呆れる



「聞き慣れたもんだよな!」


「うん!1年もこっちにいたら
珍しくもないしね!」


「うむ」


「そんなの気にして、余所余所しく
喋ってたのかよ!?
はぁー!山崎、案外馬鹿だな!」



最後の原田に反応し



「原田さんに馬鹿やなんて
言われたないわ!!!」


「なんだよ!俺が馬鹿みたいに言うな!」


「原田さんかて、隊士に気使ってるやん!」


「俺は、仕事だ!」


「俺かて、仕事や!」



「まあまあ、2人とも馬鹿でいいじゃないか
ね!?」


山南が、場を収めようとするが
かえってややこしくなったのだった





















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