浅葱色の忍
「勇… 俺、役に立ててへん?」


「立ってるさ!とても、良く働いて
心配になるほどだ!」


「なら、なんで?
なんで、慶喜のとこに戻れとか
簡単に行けやなんて言うねん!
俺、勇のそばにいたいねん
勇の忍でいることくらい、続けさせてや」


暗闇に目が慣れたのか
勇は、俺を包み込んだ



「烝が、好きなんだ
好きすぎて、離したくなくなる
それが、怖いんだ
烝は、呆れているだろうと…
心もない相手と夫婦になり
その相手を病にしてしまい
もしも、それが烝だったら…
そう思うと、溜まらなく怖い」



こんな大きな体で、怖いやなんて
なんて、似合わん言葉や



勇からの確信は、貰った

次は、俺の自信や!



「俺も、勇が好きや
ホンマは、深雪が羨ましいなって
妬いてん…
せやから、忍としてだけでも
勇のものでいたかったんや
これからも、勇の忍でいてもええ?」


「もちろんだ」



勇の唇が、俺の唇に重ねられた


のぼせそう…



「烝 ずっと私の忍でいてくれ」


「うん!主の為に、俺の為に!
勇のそばにいる!
だから、もう突き放さんといてや!」


「すまなかった、烝を傷つけたね」


「もう治ったわ!」




自室に戻り、唇に触れる


あかん!!!




完璧に乙女になっとるわ!!















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