浅葱色の忍
闇に落ちそうな時


いつも差し伸べてくれた勇の手が
今は、俺の前にない






翌日



屯所の移転が決まった

思った以上に早かった



「私に忍をひとり頂戴!」




伊東さんは、まだ諦めてなかった




「吉村君でいいから!」



でってなんやねん!!


「2人いるんだ、ひとりくらいいいだろう」


勇の言葉に、決心がついた



「俺がつきます」


「おいおい…」


「まあ!嬉しい!山崎君よろしくね!」


「よろしくお願いします」



土方さんが、何か言いたげだったが
俺の意思を尊重してくれる人や


そんで、心配して

後で部屋に来る





「山崎少しいいか?」



ほら、来た




「どうぞ」



「勝手に伊東さんとこに行くなんて酷えぞ
吉村の為なんだろうが
どんな仕事させられるか、わからねえぞ?」



「覚悟のうえですよ」



「山崎 お前は、何に怯えている
俺は、山崎の事、友だと思ってんだ
その友に、そんな壁作られて
友だと思っているのは、俺だけか?」


「ありがとうございます
友なんて、そんな贅沢なものには…
一生掛けてもなれません
俺は、忍としてしか生きられない
だから、忍の型破りみたいなことは
もうやめます
明日から俺の主は、伊東さんですから」


「いいのか?」



「ええ」







ちょっと日向におったから
もっと明るい方に
もっとお日さんの近くに


なんて、罰当たりなことは辞める




もうええ



勇の助けになれれば

それだけでええわ




何もなければ、何も失わん




あの頃に戻ればええんや




俺は、忍




ただの忍













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