イケメン兄の甘い毒にやられてます
職員室から出てきた夕陽を見つけた春人が声をかけた。

「…夕陽」
「…あれ、春人どうしたの?」

「…あーうん、ちょっと…中庭いかねぇ?」
「…いいけど?」

何事かと思いながら、春人と共に、中庭へ。

「…その封筒なに?」

夕陽の手にある封筒を指差した春人。

「…あーこれ?ほら、ママ再婚したでしょ?私も名字が変わったりして、書類の書き直しとか色々あってさ」

「…めんどくせぇな」

春人の言葉に頷きつつ、ふふっと笑って。

「…まぁねー、面倒だけど、ママの幸せのためならどうってことないよ」

「…夕陽ってホント、ママっ子だよなあ」

「…当たり前じゃない。ママ大好きだし!たった二人の家族だもん。家族が増えて、これからもっと幸せになるよー」

嬉しそうな顔をして言う夕陽を見て、春人も笑みを浮かべる。

「…夕陽、今困ってることないか?」
「…え?べつにないよ?」

「…嘘つけ。おばさん再婚してからこっち、夕陽が変なことくらい分かってる。お前わかりやすいから」

春人はいつも、どんな時も、夕陽の事を気にかけている。それは夕陽もよくわかっている。

「…わかっちゃうかー」
「…当たり前。で?何に困ってんの?」

「…困ってるのとは違うんだよなぁ」
「…じゃあどうした?」

「…戸惑ってるって言う方がしっくりくるかな」
「…」

夕陽の言葉に、春人は黙って耳を傾ける。



「…圭吾さんが、どーしても、お兄ちゃんに思えない。一緒にいると、ドキドキしちゃって…」
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