イケメン兄の甘い毒にやられてます
…抱き締められたり、おでこをコツンと当てられたり、圭吾にされることが、初体験な事ばかりで、思い出しただけで、顔が紅潮する。

「…夕陽?ゆーうー?」
「…」

「…おーい、夕陽さーん?」
「…」

「…もぅ!夕陽ってば!どうしちゃったの?」
「…ワッ!ゴメン!何?」

心ここにあらずの夕陽が気に入らない咲が大声でそう言ったので、夕陽は驚いてそう返した。

「…もう、ホントにどうしたの?今日、ずっとボケッとしてるよ?何かあった?咲でよければ聞くよ?」

「…ゴメン、ちょっと疲れてるのかな?何でもないの…」

咲に心配かけたくなくて、そう言った夕陽は、笑って見せた。

「…もしかして、お兄さんと上手くいってないとか?おばさんたち新婚旅行に行っちゃってるんでしょ?私、行こうか?」

「…ううん、ホントに大丈夫。圭吾さんとは上手くやってるから」

…一連の出来事は、言えなくて、夕陽ははぐらかすしかない。

そんな二人の会話を、横で見ていた春人は、夕陽の変化に気づいていた。

「…ぁ、職員室呼ばれてたんだ。ちょっと行ってくるね」

今は昼休み、夕陽はそう言うと、そそくさと教室を出ていった。

「…春人、出番よ」
「…何の?」

「…好きなコの一大事、過保護発動しなさいよ!ほら!」
「…」

「…早く!!」
「…言われなくても行くっつうの」

夕陽に少し遅れて、春人も教室を出た。
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