black×cherry ☆番外編追加しました
「運転手さんとは一時間後の約束なので・・・それまで、ここで見てたらだめですか」

「は?見てるって、釣り?」

「はい・・・」

「・・・」

またしても睨まれた。

そんな予感はしたけれど。

「楽しくもなんともないだろ。しかも焼けるぞ」

「大丈夫です!日焼け止めはたっぷり塗ってきましたから」

「・・・」

考えるようなしばしの沈黙。

そしてその間、また切れ長の目で睨まれ続ける。


(どうしよう・・・見てるだけでも迷惑なのかな・・・)


正直歓迎ムードではない。

ドキドキと、返事をじっと待っていると。

「・・・じゃあ、勝手にしろ」

邪魔だとは言われなかった。

本当に嫌だったら、黒崎さんはもう一度「帰れ」って絶対に言うはずだ。

そんなふうに前向きにとらえ、私は、お言葉に甘えて黒崎さんの隣に並んだ。


(・・・なんか、不思議・・・)


釣りをしている黒崎さんと、その隣にいる私。

とても静かで、穏やかな空気がゆったり流れる。

つい先日まであんなに恐れていたけれど、なぜか今は心地よかった。



しばらくぼーっと釣り竿の先を眺めていると、釣り糸が動き、黒崎さんが素早く腕を動かした。

ぐるぐると糸を巻く。

するとすぐ、30センチほどの魚が海の中から飛び出した。

「わっ・・・!」

私は思わず声を出す。

そして興奮のあまり、大きく手をたたいてしまった。
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