black×cherry ☆番外編追加しました
岡本さんが口ごもった。

すると、知らんぷりをしていた黒崎さんが、岡本さんを「おい」と睨んだ。

「仕事のこととか、こんなとこでベラベラ話すな」

「あっ・・・は、はい!すみません」

シュンとなった岡本さんは、私と千穂ちゃんに片手で「ごめん」のポーズをとった。

その後しばらく無言の時間が続いたけれど、沈黙もまたつらいのだろう、遠慮がちに再び話しかけていた。

「あ・・・えっと、黒崎さん、前にここ、咲良ちゃんと一緒に来たそうですね」

「・・・・・・」

「それと・・・咲良ちゃんのコンサートの日、仕事断ったって聞いたんですが・・・」

無反応だった黒崎さんが、岡本さんをギロリと睨んだ。

鋭い目。私もビクリとしてしまう。

「仕事の話すんなって言ってんだろ」

「い、いや、業務の話じゃないですよ。市谷さん、黒崎さんに休出頼んで断られの初めてだって言っていて。大事な用事がありそうだって。そうしたら、咲良ちゃんのコンサートの日で・・・」

「・・・っ」


ガンッ!!


黒崎さんが、テーブルの上に乱暴な様子でスマホを置いた。

壊れそうな衝撃に、みんなが肩を震わせた。

「てめえ・・・本当に黙ってろ」

「は、はい・・・!」

さすがの岡本さんも、「すみません!」と小さくなった。

いつにもまして、黒崎さんは怖かった。

なんとも言えない緊迫感。私たちはぎゅっと口を閉ざしたけれど、しばらくすると、岡本さんはシャキッと背筋を整えて、隣の千穂ちゃんにゴニョゴニョなにやら耳打ちをした。
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