black×cherry ☆番外編追加しました
「ん?電話かな」

遊歩道を歩く道の途中。

身体に振動を感じたらしいおばさまは、震える携帯電話をカバンの中から取り出した。

「あ。取引先だ」

画面を見たおばさまは、「ちょっとごめん」と私に拝むような仕草を見せると、近くにあったベンチに座り、英語で「Hello!」と話し出す。

そしてカバンからタブレットも取り出すと、話しながら指で操作をし始めた。


(わあ・・・相変わらずかっこいい)


佐和子おばさまは、エステと化粧品会社を経営しているキャリアウーマン。

英語と中国語と、イタリア語が堪能だ。

とにかく仕事が大好きで、仕事第一のおばさまだけど、恋愛を楽しむことも忘れずに、ボーイフレンドもたくさんいるよう。

最近、15歳下の彼とお別れをしたそうだけど、きっと、次の恋もすぐに始まるだろうと思う。


(私とは大違いだな・・・なんて、羨ましくも思うけど)


私は、おばあさまに反抗する勇気はないので、佐和子おばさまのようになるのは、夢の又夢だと思う。

「咲良、ごめん、ちょっと長くかかりそうだわ」

通話口を押さえたおばさまが、申し訳なさそうにそばで待つ私に告げた。

「悪いけど、ちょっと散歩でもして待っててくれる?」

「はい、大丈夫です。じゃあ・・・近くを散歩してますね」

私は、遊歩道を先に進んでおばさまを待つことにした。








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