black×cherry ☆番外編追加しました
(暑いけど・・・歩いていると気持ちがいいな)


照りつける日差しは強く、半袖のシャツワンピースからのぞく素肌が、一瞬にして焦げていくよう。

けれど久しぶりの太陽は、開放感で気持ちを上げてくれていた。


(あ・・・あそこに桟橋がある)


遊歩道の途中、視線の先には、海に突き出た細長い釣り桟橋があるのが見えた。

釣りをする人々が、間隔を開けてポツリポツリと佇んでいる。

開放感があって気持ちがよさそう。

行ってみよう、と思いたち、私はそのまま釣り桟橋に向かって行った。


幅は、5mくらいの細長い桟橋。柵はないので、海との距離を間近に感じる。

海からの高さは、5,6mぐらいだろうか。

怖がる様子なく、座って足を投げ出して、釣りを楽しんでいる人もいた。


(この辺りは、なにが釣れるのかな・・・)


そんなことを考えながら、桟橋の先へ先へと歩みを進める。

その先端からの景色は、水平線がまあるく見えた。

ここには、先ほどまで釣り人がいたのだろうか。

釣り竿やバケツなどが留守番代わりに置かれていた。


(あ・・・魚)


ふと見ると、置かれた青いバケツの中に、小さな魚が泳いでいた。

くるくると、円を描いて泳ぐ姿は、太陽に反射して、背びれがきらりと光り輝く。


(わ、きれい・・・)


普段見慣れない光景だった。思わず、バケツの中を覗き込む。


(水族館以外で動く魚を見たの、久しぶりだな・・・)


水族館も、いつ行ったのか全く覚えていないけど。

私は、間近で泳ぐ魚の姿に、小さな感動を覚えて見入った。

すると。

「・・・なにか」


(!?)


背後から、突然声をかけられた。

驚いて、身体をびくりとさせた私は、足元のバケツをサンダルでカツン!と蹴ってしまった。
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