black×cherry ☆番外編追加しました
黒崎さんの言い方に、怒りを表す昭一おじさま。

けれど本人を目の前に、「はい」なんてそれこそ怖くて言えなくて、「いえ・・・」と思わず返事した。

「咲良・・・正直に言っていいんだぞ。黒崎はそもそも人相が悪い。せめて人当たりがよければいいんだけどなあ・・・」

「あら。そんなことないですよ。ねえ、咲良」

佐和子おばさまは、すかさずフォローをしたけれど、私は目を泳がせた。

そのまま返事に困っていると、タイミングよく、ドアがノックされてコース料理が運ばれてきた。

「お待たせいたしました。前菜の盛り合わせでございます」


(わ・・・おいしそう)


銀縁の白いお皿に、彩り美しく料理が盛り付けられていた。

目の前にお皿が並ぶと、自然と顔はほころんだ。

ついでに会話も中断されて、私はとてもほっとした。

「じゃあ、早速食べますか。咲良はたくさん食べるんだぞ。コンサート前だしな。栄養をつけないと」

「はい。いただきます」

笑顔で頷き、くるんと丸まったサラダの葉っぱや、優しい色合いのテリーヌを順に口に運んでいった。

「おいしい」と呟くと、おじさまは満足そうな顔をした。

「デザートはフォンダンショコラを頼んでおいたぞ。咲良、大好きだっただろう」

「はい、ありがとうございます」


(嬉しいな。料理がこれだけおいしいから・・・デザートも、きっとおいしいだろうな)


それからは、会話上手な佐和子おばさまのおかげもあって、和やかな雰囲気で食事を終えた。

黒崎さんは「はい」とか「いいえ」とか、そんなことしか言っていなかったけど。

「・・・そうだ。咲良、デザートが終わったら、近くでやっている『ミカちゃん人形展』を見に行かないか。子供の頃、ミカちゃん大好きだっただろう」
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