black×cherry ☆番外編追加しました
「そ、そうですね・・・」

確かに、と思って頷くと、黒崎さんは疲れた様子で乱暴に髪をかき上げた。

そして、そばに立つ私を見上げ、ジロリと鋭い視線を向けた。

「おまえ、謀ったわけじゃねえだろうな・・・」

「えっ」

「順路飛ばして帰るって、言ってきたのおまえだろうが。わかっててやったんなら許さねえぞ」

「ま、まさか!!」

そんな恐ろしいことを。

私はブンブン首を振り、身の潔白を一生懸命証明する。

すると思いが伝わったのか、黒崎さんは「そうだな・・・」と大きな息をはく。

「まあ、わかっててあのデカいリボンつけたなら、相当な馬鹿としか思えねえしな」


(なっ・・・!)


カ、カチン!

「馬鹿って・・・!私だって、つけたくてつけたわけではないですよ!」

かわいいとは思ったけど・・・。

「ああ。馬鹿じゃなくてよかったな」

「!」


(も、もう・・・!馬鹿馬鹿って・・・)


生まれて初めて、こんなに「馬鹿」という言葉を聞いた。

むっとしながら、なんだか悲しくなってくる。

私から頼んだわけじゃないのに!と、さらに反論したくなったけど、これ以上は怖くてできない。


(でも確かに・・・せめて私と黒崎さんの順番が逆だったら、黒崎さんは『5万人目』の当事者にはならなかったわけだから・・・)


そうしたら、変身は私だけで済んだかもしれない。

そう思うと、ちょっと申し訳なくなってきた。
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