婚約指環は手錠の代わり!?
広いベッドに寝ころぶとすぐに睡魔がやってくる。
目を閉じてうとうとしていると、ドアが開いた気がした。

……私が起きるまで部屋には入らないって云ってたのに。
どうかしたのかな。

気にはなるけれど、瞼は少しも持ち上がらない。
ぎしっ、ベッドの軋む音がして、少しだけ身体が沈む。

「もう眠ったのか?」

手が、ゆっくりと私の髪を撫でていく。

「おやすみ、朱璃。
いまはまだ、なにもしないから」

ちゅっ、おでこに柔らかく暖かい感触。

……いまはまだ、ってなんですか?

問おうにも、声にならない……。


 
ピピピ、携帯の目覚ましで目が覚めて、いつものように二度寝タイムに突入しようとして慌てて飛び起きた。

……そうだ、昨晩は海瀬課長の家に泊まったんだった。
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