婚約指環は手錠の代わり!?
目を開けたら至近距離の海瀬課長と目があった。

「おはよう」

「……オハヨウ、ゴザイマス」

なんというか、これはすごく恥ずかしい。

「少し待ってろ」

私のあたまをぽんぽんすると、昨日脱ぎ捨てたシャツを羽織り眼鏡をかけると海瀬課長は寝室を出ていった。

……昨日、私、海瀬課長と、その、……しちゃったんだよね。

思い出すとつま先まで熱くなる。

勢いだったのもあったけど、嫌じゃなかった。
むしろ……嬉しかった。
でも海瀬課長はどうなんだろう?

「おいで」

少しして戻ってきた海瀬課長は、ちゅっと私のつむじにキスを落とすと、シーツで軽く覆って……抱き抱えてきた。

「あ、歩けますから!」

「んー?」
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