婚約指環は手錠の代わり!?
「ずっと黙ってみてきたが、ここの部署は非効率なことが多い。
これからはどんどん改善していくのでそのつもりで」

課内がしーんと静まりかえり、凍り付く。
おそるおそるあげた視線の先、武本さんはわなわなと震えていたかと思ったら、ぷいっと足早に出て行った。

いままで武本さんが怖くて、事務はほとんど武本さんのやり方に従っていた。

ほぼ名指しと云える海瀬課長の発言に、不満がないはずがない。

 
それから。
表向きはすっかり武本さんの嫌がらせは影を潜めた。
廊下で足を引っかけられたりとか、子供みたいなことはされるけど。


 
お昼ごはんはいままで通り、都合のあった日は涼太と……食べられるはずもなく。

だって、海瀬課長とそういう関係なった次の月曜。
食堂で涼太を見つけて、いつものように一緒に食べようとしたら、立ちはだかる人。

「どこに行く?」

「りょ……大藤くんのとこですけど?」
< 77 / 136 >

この作品をシェア

pagetop