愛するもの。愛すべきもの。
「今日体調悪かったんだって?大丈夫?」
下校しようとしたら門の近くで先生に会ってしまった。
車に乗るように言われ、授業の罪悪感から断ることが出来なかった。
「あ、うん。ごめんね、授業出れなくて」
「莉子の体調の方が大事だから気にすんなって」
無邪気な笑顔と共に頭をクシャクシャと撫でられた。
こうやって先生が許せば許すほど、罪悪感がどんどん増えていく。
こんな嘘やめなきゃいけないのに、本当のことを話せないでいる。
「ご飯は?食べれる?」
「うん」
「何か作ろうか?それともどっか行く?」
「うんん。誰かにバレたらダメでしょ?私も何か手伝うよ」
先生家の近くのスーパーに寄って食材を揃えてから帰った。
キッチンに立てば私は邪魔にしかならなかった。
自分がこんなにも料理が出来ないとは知らなかった。
先生は知ってたみたいだが、気を使ってくれてた。
私が居たたまれなくなり、食後に観る映画を選ぶことにした。

