セルトリア学園

街の女達が着ているような服装に
3人とも着替えると素早く街へ繰り出す。



街は私が見ていた時よりも活気に溢れており
至る所から客寄せの声がかかる。



久々に来た街はキラキラと輝いてみる。



昔よく行っていた店に
よく遊びに入っていった路地裏、
鬼ごっこをした公園に、水遊びをする噴水。



至る所に昔の記憶がたくさん溢れてくる。



懐かしさに浸りながらゆっくりと歩くと
ヒソヒソと人々が話している声が聞こえてくる。



「セナ様。どうやら。」



カイがゆっくりと声がかけれくる。



ヒソヒソと話される理由は明白。
どうやらとうバレたようだ。



「カイ、アーシャ、走るわよ」



後ろにいる2人にニヤと笑うと2人は苦笑する。



そんなふたりを後ろに
私はこの場から逃げるように走り出す。










「セナ様。
もう、ここら辺には屋台などはありませんよ」



私が来たのは住宅地からも離れ
店からも離れた言わいる



世棄て人と呼ばれる人々が集まるスラム街だ。



この王国は神の寵愛を受けた王国で
どの国の王も巫女にはこうべを垂れる
と言われているほどの国である。



そのためたくさんの人が集まる。



しかし集まりすぎて困った
この国は対策としてこの国へ住むための
難しい条件を出した。



普通の人はそこで諦めて
1ヶ月ほど滞在すると帰ってゆくが



ここの人達はこの国へ没頭してしまい、
この国へ過ごすために世捨て人となったのだ。



「ここで待っていてくれない」



カイとアーシャに言う。



2人は周りをさっきよりも
警戒していたのも忘れ止めようとしてくる。



「大丈夫、スラムは人数が多いほど危険よ。」


ここの人々はいつ追い出されるかわからない
恐怖と戦っているため警戒心が強い。



そのため大人数だと攻撃されることが
しばしばある。



「それはそうですけど、」



「あなた1人の体では無いのですよ」



「分かってるわ、昔みたいに無茶はしないから」



そう言うと2人は渋々承諾し
そこで待っていてくれることになった。



私はスラム街の奥に入っていく。



スラム街は別名、形のない街。


その名の通り人間が簡単に立てた家は
家主が居なくなったらすぐに壊され



違うものが立つ。



そうしなければ自分の安全が捕獲されないため
この街の人はそうする。



< 8 / 44 >

この作品をシェア

pagetop