SecondWedding
「お待たせ致しました。藤倉様どうぞ」
先程の女性が再び部屋に現れにこやかに私を促す。
でも私には何が何だか意味が分からず
えっと…どうしたら?
「志織ちゃん行きましょ」
右往左往する私に瑞穂さんが
「いいからいいから」
「志織、行ってこい」
二杯目のコーヒーを飲みながらソファーでくつろいでる恭介さんに
「あら、兄さんもよ」
「はぁ?」
心底驚いたような恭介さん。
鳩が豆鉄砲喰らったってこんな顔かしら。
なんて思ってると
「何を笑ってるんだ」
ほら、睨まれた。
「もう、兄さんは本当に往生際が悪いんだから」
「瑞穂!」
ち、ちょっと、こんなとこで兄妹喧嘩はしないで下さい。
「瑞穂、恭介は俺が連れて行くからお前は志織ちゃんを」
「あ、そうね。誠さん頑固兄貴をお願いね」
「誰が頑固だ?」
だから!
「恭介、落ち着け。涼と真人がビビってる」
誠さんの目線を追うと別にビビりはしてないけど不思議そうな顔をした涼と真人君が恭介さんを見上げていた。
確かに子どもの前で恥ずかしいわね。
恭介さんもそう思ったのか口をつぐんだ。
「さ、志織ちゃん行こう」
あ、そうよ。一体何処へ。
「涼ちゃん真人と遊んでてね」
「うん」
瑞穂さんに引っ張られ先程の女性に着いて部屋を出る。