SecondWedding
えっ?これって…
案内された部屋に入ってビックリ!
だって…
「み、瑞穂さん」
「うん、兄さんが志織ちゃんに着せてやってくれって。子どもの頃からの憧れだからって」
恭介さんが?
あ、あの時に言ったことを覚えていてくれたんだ。
だけど
「でも瑞穂さん、やっぱりおかしいですよ」
白無垢なんて。
「何を言ってんのよ!おかしいことなんてあるわけないでしょ?ね、高坂さん」
私達を案内してくれた女性が瑞穂さんに聞かれて
「はい、大丈夫でございますよ。最近は結婚何周年目かで改めてお式を挙げられる方もいらっしゃいますし、写真だけ取られる方もいらっしゃいます。お子様とご一緒の方も多いんですよ」
へぇ~そんなもんなの。
「だからね志織ちゃん着せてもらおうよ。志織ちゃんの夢を叶えるなんて偉そうに言ってるけど一番見たいのは兄さんなんだし」
あ、恭介さん!
「恭介さんも着替えるんですか?」
「当たり前よ。ま、兄さんは自分も着るなんて思ってなかったけどね。やっぱりお嫁さんの横にはお婿さんがいないと」
瑞穂さんがウインク。
してやったり感満載だわ。
だから恭介さん、機嫌が悪くなったのね。
でも恭介さんが紋付き羽織袴に着替えてくれるのかしら?
瑞穂さんは自信満々だけど。
「さ、藤倉様此方へ」
「志織ちゃん、兄さんの為よ」
瑞穂さんと高坂さんに促されて化粧前へ。
「私は真人と涼君を見てるから。高坂さん後はお願いします」
「はい、お任せ下さい」
「じゃあ志織ちゃん後でね」
手をヒラヒラ振り部屋を出て行った。
後に残されたのは私と美容師さんと高坂さん。
もうどう足掻いても無理みたい。
こうなったら楽しむのよ志織。
恭介さんのご機嫌が心配だけど瑞穂さんと誠さんに任そう。
それに涼もいることだし。
「宜しくお願いします」