不機嫌なカレと秘密なつながり
彰汰が無言であたしの横に立った

記事を一通り見た彰汰が、「欲しいな」とぼそっと呟いた

え?

あたしは横を向くと、彰汰の無表情の横顔を見つめる

「彰汰? 今、なにを考えてる?」

「写真、これ以外にもたくさん隠し撮りしたんだろうなあって」

「欲しいの?」

「うん。だって、姫歌が可愛い顔してるし、この写真のピントは姫歌の顔だ。この写真を撮ったヤツは、姫歌が好きなんだ。そう思うと、むかつく」

彰汰の目が、細くなった

「姫歌の可愛い顔を見ていいのは、俺だけだ」

彰汰の手が伸びて、掲示板に貼られている紙をびりっと破くと、彰汰は下駄箱に向かって歩き出した

『海堂君、可哀想』

女子の哀れに囁く声が聞こえた

あたしが振り返ると、『お姫サマに睨まれちゃった。こわーい』と女子が走って逃げて行った

睨んでないんだけど…なあ

あたしも女子の意見に同調してるのに…彰汰が可哀想ってあたしも思ってる

あたしの身体にこんな消えない傷さえなければって考えちゃう

そうすれば、自由に人生を選べたのに
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