不機嫌なカレと秘密なつながり
バスケの強い高校にだって行けたかもしれない

もっと可愛い女の子と付き合えたかもしれない

たくさんの女子に囲まれて、黄色い声援に包まれてバスケをしてたかもしれない

こんな傷だらけの身体に、情けをかけなくて良い人生だったのに

「ほんと、可哀想」

あたしはぼそっと呟いた

「君のせい…だよね」

足音もなくあたしの背後に立った岸沼先生が、低い声で声をかけてきた

「そうですね。あたしのせいです」

「そう、君のせいで一人の男子生徒が可哀想な思いをしている。惨めだろうねえ」

「さあ、どうでしょう」

あたしの手首をがしっと岸沼先生が掴んできた

「やめてください」

あたしは掴まれて手を、振り払おうとした

「どういうことかな? 昨日までは見合い相手だった君が、今朝になったら、見合いはなかったことにしてくれと言われた。海堂の会社や君のお父上から言われるなら、理解するが…なんで小山内勇人に言われないといけないのか…」

え? 勇人さんから?

なんで?

「俺が気に入らねえからに決まってるだろうが!」

岸沼先生の背後から、物凄い低い声が聞こえてきた

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